【1月6日 AFP】サッカーポルトガル代表のスーパースターで、巨額の契約でサウジアラビア1部リーグのアル・ナスル(Al Nassr)に移籍したクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)が、サウジアラビアの人権問題について声を上げるよう求められている。

 ロナウドはサウジアラビアがスポーツに力を入れている状況を背景にアル・ナスルヘ加入し、先日の入団会見では「この国の成功や文化の一員」になりたいと意気込みを語っていた。

 だが、国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は、ロナウドの契約はサウジアラビアの人権問題を覆い隠す「大規模なスポーツウオッシング」の一部だと主張。団体の中東調査員を務めるダナ・アフメド氏は、「サウジアラビアを批判せずに褒めたたえるのではなく、ロナウドは自身の大きな公的プラットフォームを利用し、この国の人権問題への関心を集めるべきだ」と訴えた。

「クリスティアーノ・ロナウドは、自身の名声と有名人としての地位がサウジのスポーツウオッシングの道具になるのを許してはならない。アル・ナサルにいる期間を利用し、この国における無数の人権問題について声を上げるべきだ」

 サウジアラビアは2021年に政府系ファンドがサッカーイングランド・プレミアリーグのニューカッスル・ユナイテッド(Newcastle United)を買収したほか、最近ではゴルフやボクシング、テニス、フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)などにも注力し、2030年のサッカーW杯(World Cup)の共催も目指している。(c)AFP