■当事者の声を

 米シンクタンク、アラブ湾岸諸国インスティチュート(Arab Gulf States Institute)の研究員エマン・アルフセイン(Eman Alhussein)氏は、同性愛を違法とする中東諸国の政策を批判する動きが欧米で強まっていても「変化にはつながらず、少なくとも短期的には現状は変わりそうにない」と述べた。

「湾岸諸国の国民の多くは保守的で、さまざまな立場の人々と同じ社会でやっていくには何らかの制限を設けて維持することが重要だと考えられています」

 アラブ世界で初めてLGBTQ団体として政府から認定を受けたNGO「ヘレム(Helem)」のタレク・ゼイダン(Tarek Zeidan)代表は、「西洋の怒り」は圧倒的に注目されるが、「人権を気にかけるなら、実際に暴力の標的となっている人々の声を取り上げてほしい」と述べた。

 カタール在住歴のあるゼイダン氏は、W杯によって「同性愛者の立場が悪くなる事態」を懸念し、最終的に代償を払うのはLGBTQコミュニティーだと危惧する。

「中東のLGBTQの人々にとって、今後数年間は非常に過酷なものになるでしょう」 (c)AFP/Aziz El Massassi