【11月26日 AFP】イングランドサッカー協会(FA)のマーク・ブリンガム(Mark Bullingham)最高経営責任者(CEO)は25日、W杯カタール大会(2022 World Cup)で「OneLove」と書かれた虹色の腕章を着用した選手について、国際サッカー連盟(FIFA)から「際限のない」処分の警告をされていたことを明かした。

 イングランドやウェールズなど欧州の7か国は、多様性を訴える取り組みの一環として、今大会でこの腕章の着用を計画していたが、FIFAから競技上の制裁を警告されて断念した。同腕章は、同性愛が違法とされるカタールに対する抗議としてみられていた。

 ブリンガム氏は、英ITVスポーツ(ITV Sport)で「際限がなかった。あの腕章を着用した選手に対し、連盟はイエローカードの他に処分を下す意向だった」と述べ、FAとしては腕章を着用した選手の出場を実質的に禁じる方針だと受け取ったと話した。

 欧州7か国は9月に「OneLove」の腕章についてFIFAに書簡を送ったが、返答はなかったという。

 ブリンガム氏は、「われわれはその間、FIFAと何度も会合を行い、開幕前の19日には着用することに理解を得られたと感じていた」としつつ、「許可は取っていなかったが、罰金は覚悟していた」とも語った。

「ところが、試合当日のことだ。開始2時間前になって、10分前の予告で5人の関係者がやって来て、われわれにシナリオの内容を説明した。腕章を着用した選手は最低でもイエローカードが提示され、さらに処分を受けるというものだった」

 FIFAの対応に抗議し、ドイツの選手は23日に行われた日本戦の写真撮影時に口をふさぐポーズをした。独サッカー連盟(DFB)は、腕章を着けた選手に処分を下すという警告が違法かどうか調査するとしている。(c)AFP