【11月10日 AFP】ブラジルで1960年代に起きた芸術運動「トロピカリア（Tropicalia）」を代表する歌手のガル・コスタ（Gal Costa）さんが9日、死去した。77歳。コスタさんの広報会社が明らかにした。

　澄んだ歌声と官能的な魅力が人気を博したコスタさんは、60年代ブラジルのポップ音楽界の大御所と共演。アントニオ・カルロス・ジョビン（Antonio Carlos Jobim）やシコ・ブアルキ（Chico Buarque）、ミルトン・ナシメント（Milton Nascimento）、そして親友のカエターノ・ベローゾ（Caetano Veloso）といった作曲家が手掛けた数々の曲を歌い、世に知らしめた。

　コスタさんの広報を担当するPR会社はAFPに対し、コスタさんの死去を認めたが、それ以上の詳細は明らかにできないと説明した。

　ブラジルメディアによると、南東部サンパウロ（Sao Paulo）に在住していたコスタさんは、9月に右鼻腔（びくう）のしこりを取り除く手術を受けていた。最近では、医師の勧告に従い、同市の音楽祭「プリマベーラ・サウンド（Primavera Sound）」への出演を中止。だが公式ホームページによると、12月17日にサンパウロでコンサートを開き、公演活動を再開する予定だった。(c)AFP