【11月7日 AFP】国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)が6日、エジプト・シャルムエルシェイク(Sharm el-Sheikh)で開幕した。温室効果ガスの排出削減に向け、先進国から開発途上国への資金支援で合意できるかが焦点となる。

 世界気象機関(WMO)はこの日、今年までの8年間は観測史上最も気温が高い8年になると予測する報告書を公表。地球温暖化は海面上昇、氷河の融解、熱波の襲来などをもたらしていると警告した。

 国連の気候変動枠組み条約事務局のサイモン・スティル(Simon Stiell)事務局長はしかし、COP27開幕に当たり、世界の気温上昇を産業革命前から1.5度以内に抑えることを目指す「パリ協定(Paris Agreement)」の目標達成に向けて2030年までに排出量を45%削減するとの目標を後退させるつもりはないと明言。「大統領や首相であれ、企業の最高経営責任者(CEO)であれ、それぞれの責任を果たしてもらいたい」と語った。

 さらに、英グラスゴーで昨年開催されたCOP26で求められた、「強化された」削減目標を提示したのは194か国中29か国にとどまっていると指摘。「(パリ協定の目標を)実現させる上で要となるのは世界中の一人ひとりが日々、気候変動危機に立ち向かうためにあらゆる手を尽くすことだ」と述べた。

 COP27に先立って行われた準備会合では、気候変動に伴い途上国が受けている「損失と損害」に対する支援を議題とすることで一致した。化石燃料の利用で豊かになった先進国と、温暖化の悪影響に直面している途上国との間で争点となっている支援問題に、初めて焦点が合わせられることになる。

 COP27には約110か国の首脳も参加。18日に閉幕の予定。(c)AFP/Marlowe Hood, Kelly Macnamara and Laurent Thomet