【10月31日 AFP】スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さん(19)は30日、エジプトで来月開かれる国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)について、欠席する意向を明らかにした。環境に配慮しているよう見せかける企業戦略「グリーンウォッシング」の場と化していると非難している。

 トゥンベリさんは、英ロンドンのサウスバンクセンター(SouthBank Centre)で行われた新著の出版イベントでの質疑応答で、「COP27には行かない。さまざまな理由があるが、(市民やNGOが自由に発言・活動できる)市民社会スペースは今年、極めて限られている」と述べた。

 さらに、「締約国会議は主に指導者や権力者が注目を集める機会として利用され、各種のグリーンウォッシングが行われている」と指摘。会議は「システム全体を変える」のではなく段階的な進展を促すものでしかなく、「広範な参加の機会として活用しない限り、見ての通り機能しない」と批判した。

 27日に発売されたトゥンベリさんの新著「The Climate Book(原題)」には、経済学者のトマ・ピケティ(Thomas Piketty)氏、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長、ジャーナリスト・作家のナオミ・クライン(Naomi Klein)氏ら、各界の専門家による寄稿約100本が掲載されている。印税はトゥンベリさんの名前を冠した財団に寄付され、環境問題に取り組む慈善団体に贈られる予定。

 11月6日に開幕するCOP27に先立ち、トゥンベリさんはエジプトで拘束されている「良心の囚人」への連帯をツイッター(Twitter)で表明していた。(c)AFP