【9月20日 AFP】ブラジルのアマゾン(Amazon)熱帯雨林で、今年これまでに発生した森林火災件数が、昨年の年間発生件数をすでに上回っていることが、19日発表の統計で明らかになった。

 国立宇宙研究所(INPE)の衛星観測データによると、今年1月1日~9月18日に確認された森林火災は7万5592件と、昨年1年の7万5090件をすでに上回った。

 アマゾン熱帯雨林での火災の拡大は、ジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領に対する圧力になるとみられる。ボルソナロ氏は、来月の大統領選挙で再選を目指しているが、在任中にアマゾンの森林破壊が急速に進んだとして国際的に批判を受けている。

 極右のボルソナロ氏が19年1月に就任して以来、アマゾンの森林破壊は過去10年に比べ75%拡大した。昨年にはプエルトリコ(総面積8868平方キロ)とほぼ同じ面積の森林が破壊された。

 専門家は、アマゾンの火災の主な原因は、農家や牧場主、投機家が違法に土地を利用するために開墾し燃やしているためだと指摘する。

 森林破壊が進んでいるにもかかわらず、ボルソナロ政権は環境保全活動のための予算を削減し、アマゾンの保全区域での採掘を推進している。

 地球温暖化の緩和にとって重要な存在となっているアマゾンにとって、今年は懸念すべき年となっている。

 ブラジル・アマゾンの先月の森林破壊面積は、前年同期のほぼ倍の1661平方キロだった。

 8月に入り本格的な野焼きの季節が始まり、空気も乾燥し、火災の発生も急増した。

 INPEによると、1998年の観測開始以来、ブラジル・アマゾンで最も火災が多かったのは2004年の21万8637件だった。(c)AFP/Eugenia LOGIURATTOAnd the highest