【8月12日 AFP】ウクライナ・キーウ近郊のブチャ(Bucha)の墓地に11日、紫色の布がかけられたひつぎ11基が並んだ。3月のロシア軍によるブチャ占領の際に亡くなった身元不明の男性9人と女性2人の遺体が納められている。

 激しい戦闘が続く中、住民らは遺体の多くを急いで集団埋葬地に埋めざるを得なかった。

 AFPの取材班は4月2日、ブチャで20人以上の民間人の遺体を発見し、ウクライナで戦争犯罪が行われたことが初めて明らかになった。

 この日から4か月がたち、現地当局は親族による身元確認ができていない遺体の埋葬を開始した。

 ブチャ当局はAFPに対し、9日には14人の遺体が、11日にはさらに11人が埋葬されたと話した。あと3回、同様の埋葬が予定されているという。

 当局によると、ブチャ占領中、民間人458人が死亡し、うち約50人の身元確認ができていない。

「われわれは確認作業を続ける。最終目標は、すべての身元不明者の親族を見つけることだ」と当局者は話した。

 だが、遺体の身元を正式に特定するには、親族による遺体確認が必要という。

 11日に埋葬された身元不明者11人のうち、男性2人は身分証明書を携帯していたが、オンラインでの呼び掛けに対して身元を確認したいと名乗り出る人はいなかった。

 DNA鑑定で身元が確認されたり、親族が名乗り出たりした場合に備え、身元不明者の墓に据えられた十字架には照会番号が記されている。(c)AFP/Thibault MARCHAND