【6月6日 AFP】エリザベス英女王(Queen Elizabeth II、96)の在位70年「プラチナジュビリー(Platinum Jubilee)」を祝う4日間の記念式典が5日、最終日を迎え、ロンドンでは約1万人が参加するパレードが行われた。女王は行事終了後、メッセージを公表し、「今後もあなた方のために仕える」と表明した。

 女王はメッセージで、多くの人が祝ってくれたことに「深く感動した」として、「すべての行事には出席できなかったが、私の心はあなた方と共にある。今後も家族に支えられながら、力の限りあなた方のために仕える」と述べた。

 この日は英軍と英連邦(Commonwealth)諸国の兵士のパレードで幕を開けた。障害者と健常者約6000人も行進。

 1821年のジョージ4世(George IV)の戴冠式以来、全ての英君主が即位の際に使用してきた金の馬車「ゴールド・ステート・コーチ(Gold State Coach)」に女王のホログラムが投影された。

 女王の肖像を描いた巨大な気球からつり下げられたアーティストがパフォーマンスを披露。英シンガー・ソングライターのエド・シーラン(Ed Sheeran)さんが、自身のヒット曲「パーフェクト(Perfect)」と英国歌「ゴッド・セーブ・ザ・クイーン(God Save the Queen)」を歌い上げて式典を締めくくった。

 曇り空だったが、健康不安から3日以降の行事を欠席していた女王はバッキンガム宮殿(Buckingham Palace)のバルコニーに姿を見せた。

■「別れの雰囲気」

 プラチナジュビリーについては、英国にとって特別な章が終わる、一世代に一度の行事と受け止める人が多い。

 チャールズ皇太子(Prince Charles)は現在73歳。このため、次のジュビリー(君主の在位を節目に祝う行事)はおそらく、ウィリアム王子(Prince William)の在位25年を祝う式典となり、少なくとも50年先となる可能性がある。

 日曜紙サンデー・テレグラフ(Sunday Telegraph)は、豪華アーティストが参加した4日のコンサートには「別れの雰囲気があった」と表現。

 日曜紙オブザーバー(Observer)は「女王が昨年、フィリップ殿下(Prince Philip)の葬儀に参列したことに始まる長いお別れの一部」と評した。

 チャールズ皇太子やウィリアム王子が王位を継承する時の状況は、エリザベス女王が即位した第2次世界大戦(World War II)後の時代とは異なるものになるとみられる。

 当時の英国は依然、植民地を所有する強大な宗主国だった。しかし現在、英君主を国家元首とする英連邦14か国では、共和制に移行する動きが勢いづいている。(c)AFP/Phil HAZLEWOOD / Joe JACKSON