【5月6日 AFP】(更新)ハンガリーのオルバン・ビクトル(Viktor Orban)首相は6日、欧州連合(EU)欧州委員会(European Commission)のウルズラ・フォンデアライエン(Ursula von der Leyen)委員長が発表した、ロシアへの追加制裁としての同国産石油禁輸案について、「レッドライン(越えてはならない一線)」を越えるものであり、EUの結束に対する「攻撃」だと非難した。

 フォンデアライエン欧州委員長は4日、EU加盟27か国に対し、ロシア産原油の段階的な禁輸を提案した。ウクライナ侵攻をめぐる対ロ制裁としては最も厳しい措置となる。ロシア産石油に大きく依存しているハンガリーとスロバキアには、来年末まで猶予が与えられる。

 オルバン首相は国営ラジオで、「欧州委員長は、意図的かどうかは別にしても、これまで培われてきた欧州の結束を攻撃した」と指摘。「われわれは当初から、レッドラインがあると明確に伝えていた。それはつまりエネルギー資源の禁輸であり、このレッドラインを越えてしまった」と述べた。

 さらにオルバン氏は、措置は「ハンガリー経済に落とされた核爆弾」に等しいと形容。「ハンガリーのエネルギー輸送・供給システムを刷新するには5年を要する可能性がある」と述べ、来年末までの猶予では不十分との見方を示した。

 ハンガリー政府によると、同国が輸入する原油の65%と天然ガスの85%がロシア産だという。(c)AFP