【4月25日 AFP】テニス、四大大会(グランドスラム)のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)がロシアとベラルーシの選手の出場を禁止したことについて、女子テニス協会(WTA)のスティーブ・サイモン(Steve Simon)会長は、大会側の判断に対して「強い対応」を検討していると警告した。

 ウィンブルドンを主催するオールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(AELTC)は前週、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、ダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev)やアンドレイ・ルブレフ(Andrey Rublev)、アリーナ・サバレンカ(Aryna Sabalenka)、ビクトリア・アザレンカ(Victoria Azarenka)らロシアとベラルーシの選手の出場禁止を決めた。

 今回の決定について「不公平」で「深く失望」したと話していた男子プロテニス協会(ATP)とWTAは、今週開幕するマドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2022)の傍らで、この件の対応を話し合うとみられている。

 四大大会は自主運営を認められているが、ATPとWTAはウィンブルドンでのランキングポイント付与を拒否するなどの制裁を科す可能性もある。その場合、ウィンブルドンはただの豪華なエキシビション大会になり下がるおそれもあり、テニス界を分断しているこの問題は、この先1週間でさらに複雑化する可能性がある。

 ATPは法的措置を取ることに乗り気ではないように見えるが、一方でWTAは、仏スポーツ日刊紙レキップ(L'Equipe)が入手した選手宛てのメールで、「グランドスラムの規定に照らして、みなさん(選手)が取れる行動」を調査していると話している。

 サイモン会長は、ポッドキャスト番組の「Tennis Podcast」で、「われわれはグランドスラムに対して、WTA主催大会と同じだけの管轄権は有していない」としつつ、「われわれからの強い対応を目にすることになるだろうが、具体的な中身や規模についてはまだ検討中だ」と明かした。 (c)AFP