【4月21日 AFP】男子プロテニス協会(ATP)と女子テニス協会(WTA)は20日、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)がロシアとベラルーシの選手を今年の大会から除外したことについて、「不公平」で「深く失望している」と反発した。

 ウィンブルドンを主催するオールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(AELTC)の決定を受け、ロシアの男子世界ランキング2位ダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev)や、ベラルーシの女子世界4位で、前回大会4強のアリーナ・サバレンカ(Aryna Sabalenka)ら有力選手も出場ができなくなる。

 また英国庭球協会(LTA)も、同国で行われるウィンブルドンの前哨戦でロシアとベラルーシ勢の出場を禁止すると発表した。

 両国の選手はウクライナ侵攻が始まって以来、国旗の使用は認められていないものの、ツアー自体には参加できている。

 そうした中でATPとWTAは、ウィンブルドンの決定は差別的であり、悪しき前例になると非難した。

 ATPは「私たちの競技は実績と公平性の基本原則に基づく運営を誇りとしており、選手はATPランキングをベースに大会への参加を個人として競っている」とした上で、ウィンブルドンとLTAの「一方的な決定」は「不公平であり、競技の悪しき前例になる可能性がある」と指摘。「国籍に基づく差別は、ATPランキングを選手のエントリーの唯一の基準とするウィンブルドンとわれわれの合意にも違反している」 とした。

 またWTAも、今回の決定は「公平でも正当でもない」と批判し、「本日の発表に深く失望している。アスリート個人は、いかなる形の差別も受けることなく実績に基づいてプロテニスの大会に参加できるというのがWTAの基本原則だ」とした。(c)AFP