【3月19日 CGTN Japanese】中国のインターネット上で最も人気があった警察犬で、軌道交通システムの治安を担当する上海軌道交通公安警察犬支隊の「生米(シェンミー)」がこのほど引退しました。  

 ラブラドルレトリバーの生米は今年11歳で、人間でいえば77歳に相当します。捜査犬として丸10年活躍してきました。  

 上海軌道交通公安警察犬支隊に勤務する警察官の陸捷(Lu Jie)さんは生米の指導手で、陸さんにとって生米は入隊して初めて扱った警察犬です。  

 陸さんによりますと、爆発物捜査犬になるためには、少なくとも黒色火薬など10種類以上の爆発物のにおいを識別できるほか、良好な服従性も備えていなければなりません。そのため、生米は週16時間以上の訓練を続けました。障害物を通り抜けたり走ったりして体力を鍛え、嗅覚の感度を維持するための訓練も受けました。  

 警察犬支隊は、おとなしくて賢い生米の日常の様子を頻繁にSNS上に投稿しました。生米は治安強化キャンペーンにも出演し、多くのネットユーザーに愛され、中国のネット上で最も人気のある警察犬となりました。  

 生米はこの10年間、地下鉄駅の保安検査に協力したり、上海万博や上海マラソンなどでも公務執行に当たるなどしてきました。各種の公共安全宣伝活動でも活躍し、学校内での子どもへの安全教育などにも協力してきました。  

 陸さんは、生米が引退するその日、大好物の缶詰や牛肉などを用意し、基地内で思う存分一緒に遊んで楽しい一日を過ごしました。  

 ネット上では生米の引退後の生活を心配する声も上がっていますが、陸さんによりますと、支隊では引退した警察犬に対して一律の福祉保障策が取られています。専任の介護士が毎日、健康状態をチェックし、宿舎や食事などの待遇も現役時と同様に扱われます。また、指導手も引退した警察犬を連れて運動をさせるなどしています。

 警察犬を扱う警察官の間では「前半生をささげたあなた(警察犬)を最後まで見届ける」という愛の言葉があります。 

 ネット上では、生米の引退について「10年間本当にお疲れさま」「身の危険も顧みず頑張ってくれてありがとう」などのメッセージが寄せられています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News