【3月11日 AFP】英政府は10日、ロシアのウクライナ侵攻をめぐる制裁として、サッカーイングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)のオーナー、ロマン・アブラモビッチ(Roman Abramovich)氏を含むロシア人富豪7人に対し、英国内の資産凍結と渡航禁止措置を科した。これにより、アブラモビッチ氏が先週発表していたチェルシー売却計画は暗礁に乗り上げた。

 英政府は、チェルシーへの制裁の影響を緩和するため、試合やサッカー関連の活動を継続できる特別ライセンスを付与。だが許可された活動には、クラブの売却や選手の移籍は含まれていない。チェルシーは、制限が厳しすぎるとし、ライセンスの修正に向けて政府との協議を希望すると表明した。

 ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相の報道官は、新たなライセンスが承認されればチェルシー売却を容認する可能性もあるとした上で、売却によってアブラモビッチ氏が利益を得ることは許されないとした。

 英政府は、アブラモビッチ氏の保有資産額を94億ポンド(約1兆4000億円)と推定。アブラモビッチ氏のほか、同氏の元ビジネスパートナーのオレグ・デリパスカ(Oleg Deripaska)氏や、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の「右腕」とされる石油大手ロスネフチ(Rosneft)のイーゴリ・セチン(Igor Sechin)最高経営責任者(CEO)、天然ガス大手の国営企業ガスプロム(Gazprom)のアレクセイ・ミレル(Alexei Miller)社長らが制裁の対象となった。(c)AFP/Phil HAZLEWOOD, James PHEBY