【3月3日 AFP】サッカーイングランド・プレミアリーグ、チェルシー(Chelsea)のオーナーを務めるロシア人富豪のロマン・アブラモビッチ(Roman Abramovich)氏は2日、クラブ売却という「非常に困難な」決断を下したと発表した。

 アブラモビッチ氏は自身がチェルシーとたもとを分かつことが、クラブにとって「最善」だと説明。売却益はウクライナの戦争犠牲者に寄付する意向を示した。

 ロシアのウクライナ侵攻を受け、アブラモビッチ氏はチェルシーの管理・運営権をクラブが保有する慈善団体の理事に譲渡すると発表していたが、その数日後に事態は劇的な展開を迎えた。

 アブラモビッチ氏は2003年にチェルシーを買収し、変革してきた。チェルシーは欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)を2度、プレミアリーグを5度制すなど、同氏の下で獲得した主要タイトルは19にも上る。

 アブラモビッチ氏はロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と密接な関係にあるといわれる人物。現時点ではロシアの銀行や企業、政府支持派の実業家を対象とした英国の制裁リストに名前はないが、資産差し押さえの可能性の懸念が、売却の動きに向かわせたとみられている。

 チェルシーについては、スイスの富豪ハンスヨルグ・ウィス(Hansjorg Wyss)氏と、米大リーグ(MLB)ロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)の共同オーナーを務める米投資家のトッド・ボーリー(Todd Boehly)氏が現在、共同での買収を検討していると報じられている。(c)AFP/Steven GRIFFITHS