【3月10日 AFP】ロシアによるウクライナ侵攻を理由に、フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するハース(Haas F1 Team)から契約を解除されたロシア人ドライバーのニキータ・マゼピン(Nikita Mazepin)が9日、欧州連合(EU)によるロシア人の制裁対象者に追加された。

 マゼピンの父親で、化学大手ウラルカリー(Uralkali)の社外取締役を務める新興財閥(オリガルヒ)のドミトリー(Dmitry Mazepin)氏も制裁リストに入った。

 ドミトリー氏についてEUは「ロシア連邦政府の大きな収入源となる、経済部門での活動に従事している」とし、マゼピンの制裁リスト入りについては「影響力の大きい実業家(ドミトリー氏)と関係のある自然人」とみなされるためと説明した。

 EUはロシアがクリミア(Crimea)半島を併合した2014年から制裁リストを作成しており、現在合計で862の個人と53の団体が名を連ねる。対象の個人や団体はEU域内への渡航が禁止され、域内の資産は凍結される。

 これに先立ちマゼピンは同日、「政治的な理由」で競技から締め出されたスポーツ選手を支援する財団の設立を表明した。

 マゼピンによれば、ハースのタイトルスポンサーだったウラルカリーがチームに支払うはずだった金が財源になるという。ウラルカリーは5日、マゼピンと共にロシアのウクライナ侵攻を受けて契約を解除されていた。

 支援対象はロシアとベラルーシの選手だけでなく、「すべての紛争地域出身の選手」も含まれ、「北京冬季パラリンピックから除外されたロシアのパラリンピックチームから(支援を)始める」としている。(c)AFP