【2月24日 AFP】国連安全保障理事会(UN Security Council)は23日夜、ウクライナ情勢に関する緊急会合を開いた。ウクライナのセルギー・キスリツァ(Sergiy Kyslytsya)国連大使は、自国に対する「戦争を止めるためあらゆる手段を行使する」よう安保理に強く求めた。

 緊急会合はウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領がウクライナでの軍事作戦を発表したことを受けて開かれた。キスリツァ氏は「戦争を止めるのが(国連)機関の責務だ」と強調。ロシアのワシリー・ネベンジャ(Vassily Nebenzia)国連大使に対し「プーチン(大統領)とセルゲイ・ラブロフ(Sergey Lavrov)外相に電話し、侵攻を止めさせてほしい」と呼び掛けた。

 安保理の現議長国はロシアが務めている。キスリツァ氏は「議長国の任を返上する」ようネベンジャ氏に要求。「戦争犯罪者に煉獄(れんごく)はない。地獄へ直行だ」と怒りをぶつけた。

 これに対しネベンジャ氏は、ロシアは単に 「特別な軍事作戦」 を遂行しているだけであり、「それを戦争とは呼ばない」 と反論。「われわれはウクライナ国民を攻撃しているのではなく、(首都)キエフで権力を握っている『軍事政権』を攻撃しているのだ」とかわした。

 キスリツァ氏は会合後、ロシアの侵攻は戦争ではないと否定したネベンジャ氏の言い分を「狂気の沙汰」だと切り捨てた。(c)AFP