【2月4日 CNS】中国国家スキージャンプセンターは河北省(Hebei)張家口市(Zhangjiakou)崇礼区(Chongli)古楊樹競技施設群の北西部に位置しており、世界最大のスキージャンプ競技場であり、中国初の国際基準に合う冬季オリンピックスキージャンプ競技場でもある。最上階の出発エリア、コースと観戦エリアで構成されている。北京冬季オリンピックを開催する際には、スキージャンプとノルディックスキーの2項目8種目の試合が行われ、金メダル5枚の持ち主を決める。

 古楊樹競技施設群マネージャー、中国国家スキージャンプセンター施設マネージャーの王敬先(Wang Jingxian)氏によると、同センターは張家口競技エリアの施工量が最も多く、技術難度が最も高い競技場で、そのコースはHS(ヒルサイズ)140のラージヒルジャンプ台とHS106のノーマルヒルジャンプ台に分かれ、地上との最大落差は135メートルに達する。S字カーブの外観構造が中国の伝統的な縁起物「如意(にょい)」と似ていることから、「雪如意(Xueruyi)」と名付けられた。

 遠くから見ると、「雪如意」の最上階には巨大な円環がある。これが内部に500人収容できる講堂を持つ「頂上クラブ」で、「雪如意」の最も顕著な目印だ。「雪如意」は最上階の出発エリアに大型建物を設置した世界初のスキージャンプ競技場となった。

「雪如意」の造形設計チームデザイナーの王灝(Wang Hao)氏は、スキージャンプ台に大型建物を建てるのは、造形設計上の考慮もあれば、機能的な考慮もあると述べた。

「頂上クラブ」からコースを見下ろすことで、これまでにない観戦の視点を提供することができる。2本の巨大な支柱に支えられた「頂上クラブ」は「如意の柄尻」のように、流れに乗ったS字コースは「柄の本体」のように、最終的には底部の終了エリアと観戦エリアにある「柄の先」へとつながっていく。

 競技場の建設には多くの革新的なデザインが用いられ、選手が最高のレベルを発揮し、「思い通りのジャンプ」ができるようサポートする。

 古楊樹競技施設群チームによると、「雪如意」は立地建設の当初、気象条件がスキージャンプに与える影響を考慮し、特に競技場を谷の中に建設し、ボウル状の構造を利用し大半の冬の主導風をブロックまたは弱めることができるという。また、国際スキー連盟(FIS)の専門家のアドバイスに基づき、ジャンプ台の向きを調整し、気象データを分析することにより、コンピューターシミュレーションモデルで競技場の風環境をシミュレートし、最終的にジャンプ台自身と防風ネットを利用し風力干渉という要素を防ぐ。

 また、選手が巨大な競技場内を「スムーズに移動」できるようにするため、コースの南側には現在世界で最も速い変角斜行エレベーターが設置されており、全長259メートル、速度は毎秒2.5メートルに達し、試合時に選手の場内交通転換を迅速に実現し、試合の順調な進行を確保することができる。

 特筆すべきは、「雪如意」では、試合の半数以上が夜間に行われるため、照明や照明デザインも大きな注目点となっている。王氏によると、同競技場内には照度1600ルクスの大型照明柱15本と珍しい助走路照明施設が設置されている。特殊効果照明、プロジェクションライトなども加え、開会式、試合時、試合後の運営など様々なシーンのニーズを満たすことができる。(c)CNS/JCM/AFPBB News