【5月17日 AFP】エジプトの30を超えるピラミッド群沿いにかつて流れていた「失われた川」の痕跡が発見された。古代エジプト人がピラミッド建設に使った巨石をどのように運んだのかという謎を解く鍵となる可能性がある。

 16日に学術誌「コミュニケーションズ・アース・アンド・エンバイロンメント(Communications Earth and Environment)」に発表された研究結果によると、このナイル(Nile)川の支流は古代エジプト文化を象徴するギザ(Giza)のピラミッド群などの近くを流れていたが、その後数千年にわたって砂漠や農地の下に埋もれていた。

 全長64キロにわたる支流の存在によって、今では不毛の砂漠地帯となっているナイル渓谷で4700~3700年前に、31のピラミッドが連なるように築かれた理由を説明できるかもしれない。

 古代エジプトの首都メンフィス(Memphis)に近い一帯には、古代世界の七不思議の中で唯一現存するギザの大ピラミッド(Great Pyramid of Giza、クフ王のピラミッド)をはじめ、カフラー王(King Khafre)、メンカウラー王の(King Menkaure)ピラミッドなどがある。

 考古学者たちは長年、古代エジプト人はピラミッド建設に使った巨石を運ぶために、近くにあった運河を使ったに違いないと考えてきた。

「だが、その巨大運河の位置、形状、規模、ピラミッドへの近さについては、誰も確信が持てなかった」と、論文の主著者を務めた米ノースカロライナ大学ウィルミントン校(University of North Carolina Wilmington)のエマン・ゴネイム(Eman Ghoneim)氏はAFPに語った。

 今回、国際研究チームは衛星レーダー画像を用いて一帯をマッピングした。論文によると、さらに現地調査と堆積物コアを加えた調査で、かつての川の存在が確認された。研究者たちは「ピラミッド群」を意味するアラビア語で、この川の痕跡を「アハラマート支流」と名付けた。

 研究チームはかつて壮大だった川が次第に砂に覆われるようになったのは、4200年ほど前の大干ばつがきっかけだった可能性を示唆した。

 この川はまた、ピラミッドがさまざまな場所に築かれた理由も示しているかもしれない。「川の流れや水量が時とともに変化したため、第4王朝の王たちと第12王朝の王たちは異なる選択をしなければならなかった」とゴネイム氏は述べた。(c)AFP/Juliette Collen