【1月6日 CNS】中国・湖南省(Hunan)長沙市(Changsha)でペット専門の葬儀場を営む廖文韜(Liao Wentao)さんは、2歳の猫の遺体を花に囲まれた小さなベッドに置き、体を丁寧に清め、髪をとかした。そして追悼の儀式、飼い主との別れの後、火葬炉に送った。

「飼い主は遺骨を家に持ち帰るか、保管室を借りて飼い主が会いたい時に訪れることもできます。年間400〜500匹のペットのお見送りをしています。ペットの葬儀の需要は大きいが、市場はまだ対応できていません」。26歳の若き経営者の廖さん。これまでウサギやハムスター、カメ、金魚などの葬儀も行ってきた。飼い主を慰め、悲しみを和らげることが何よりも重要で、「ぬくもりが必要な仕事です」と話す。

 中国では最近、ペットを「毛孩子(毛の生えた子ども)」と呼んで溺愛する若者が増え、「吸猫(猫のモフモフした体に顔をうずめる)」「撸狗(犬をなでなでする)」という言葉が流行している。企業リサーチ会社の艾媒諮詢(iiMedia Research)が発表した「中国ペット消費動向白書」によると、中国のペット産業の市場規模は2020年に3000億元(約5兆4662億円)近くに達し、ペットの衣食住、医療、老後のケア、そして葬儀まで一大産業チェーンに発展している。

 33歳の劉偉(Liu Wei)さんは、上海市で「ペット探偵」をしている。「これまでにチームで20以上の都市で3000匹近いペットを探し、1000匹以上を見つけています。猫や犬のほか、鳥、トカゲ、ハムスターなども探しました。45日間かけて発見した犬もいます」。ペット探偵には動物への愛情や知識、観察力が必要で、赤外線カメラや野生動物の生態調査に使うハンティングカメラなどの専門機器も使う。費用は移動距離などに基づいて価格を計算する。

 劉さんは若者向けのショートビデオ投稿サイトで自分たちの活動を紹介しており、ますます依頼が増えているという。「私たちのチームは15人に増え、多い時は1か月に40件以上の注文があります」

「2020年中国ペット産業白書」によると、中国の都市部におけるペットの犬と猫の数は、2020年に1億84万匹に達した。ペットブームに伴い、犬の散歩業、ペットフードの試食業、ペットの健康管理士、ペットのダイエットインストラクターなどの新職業が次々と誕生している。大手就職サイト「猟聘(Liepin)」のビッグデータ研究所によると、こうした新職業は1990年代生まれの若い世代がほとんどを占めているという。(c)CNS/JCM/AFPBB News