【1月25日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2022)の大会ディレクターを務めるクレイグ・タイリー(Craig Tiley)氏は25日、AFPの取材に対して、中国女子選手の彭帥(Peng Shuai)を支持するTシャツを禁止する方針に猛反発が出たことを受け、平穏にしている限りは着用を認めるとの考えを示した。

 豪メルボルンパーク(Melbourne Park)の警備スタッフが「Where is Peng Shuai?(彭帥はどこに?)」と書かれたTシャツを脱いで、横断幕を取り外すよう観客に命じる動画が23日にネット上に投稿されたことを受け、大会側はこれまでの方針を転換した。

 女子テニスのレジェンドとして知られるマルチナ・ナブラチロワ(Martina Navratilova)氏は「哀れ」な判断だと、批判の声を上げていた。

 全豪オープンを主催するオーストラリアテニス協会(Tennis Australia)は24日、「商業的もしくは政治的な衣類、横断幕、看板は許可されていない」という長年の方針を改めて強調。しかし、これに批判が高まったことを受け、タイリー氏は人々が平穏にしている限りはこのTシャツの着用を認めるとし、警備員もケース・バイ・ケースで状況を判断すると補足した。

 元ダブルス世界ランキング1位の彭は、昨年11月に中国の張高麗(Zhang Gaoli)前副首相に性行為を強制される関係が数年にわたって断続的に続いたとSNSで告発した後、この投稿をすぐさま削除されて約3週間にわたり消息不明となった。その後再び中国で公の場に姿を見せたが、それ以来安否を心配される状況が続き、全豪オープンにも出場していない。(c)AFP