【1月23日 AFP】現在開催中の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2022)で、中国の彭帥(Peng Shuai)を支持するTシャツを着たファンが警備スタッフに制止される動画がインターネットに投稿されたことについて、大会主催者は23日、彭の安全は「自分たちにとっても最優先事項だ」と釈明した。

 元ダブルス世界ランキング1位の彭は、昨年11月に中国の張高麗(Zhang Gaoli)前副首相による性的暴行をSNSで告発した後、約3週間にわたり消息不明となった。その後再び中国で公の場に姿を見せたが、それ以来安否を心配される状況が続き、全豪オープンにも出場していない。

 全豪オープンに出場中のトップ選手はたびたびこの件を取りあげ、彭の声を直接聞いて安全を確認したいと話している。

 しかしこのたび、「Where is Peng Shuai?(彭帥はどこに?)」と書かれたTシャツを着たメルボルンパーク(Melbourne Park)内の人を、警備スタッフが厳しく取り締まる動画がインターネットに投稿された。

「Where is Peng Shuai?」のメッセージは、彭が置かれているとみられる苦境を広く伝えるため、トップ選手を含む多くの人がツイッター(Twitter)でハッシュタグとして使用し、大きな話題になっている。

 今回の件を受け、全豪オープンを主催するオーストラリアテニス協会(Tennis Australia)は広報を通じてコメントを発表した。「われわれの入場規則では、商業的もしくは政治的な衣類、横断幕、看板は許可されていない」と説明し、「彭帥の安全はわれわれにとっても最優先事項だ」とした。

「引き続き女子テニス協会(WTA)や世界のテニスコミュニティーと連携して彼女の状況をいっそう明らかにし、彼女の幸福を実現するため全力を尽くしていく」 (c)AFP