【12月10日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は9日、重量挙げ、ボクシング、近代五種について、2028年に開催されるロサンゼルス五輪の実施競技に含まれるか疑わしいと警告した。

 スイス・ローザンヌ(Lausanne)で開かれていた3日間のIOC理事会を終えて記者会見に臨んだバッハ会長は、ボクシングと重量挙げを「問題児」と呼び、2024年パリ五輪で両競技を実施競技に含めるべく国際ウエイトリフティング連盟(IWF)と国際ボクシング協会(AIBA)がすべき課題を提示した。

 バッハ会長は「AIBAは組織のガバナンス、財務の透明性、そして審判の判定に関する高潔性への懸念に対処したことを証明しなければならない」と指摘。IWFに対しても、連盟のトップを入れ替えて後任が「文化の効果的な変化」をもたらす必要があるとし、「これまで競技内で繰り返されてきたドーピング問題の解決に取り組む必要がある」と述べた。

 一方、近代五輪の「父」として知られるピエール・ド・クーベルタン(Pierre de Coubertin)男爵が創設した近代五種は、パリ五輪の実施競技に含まれる予定となっているが、ロサンゼルス五輪では除外の可能性がある。

 今年開催された東京五輪では、近代五種女子の馬術でドイツ代表のコーチが競技中に飛越を拒否した馬を乱暴にたたいたとしてメディアの注目を浴びた。この馬に騎乗した同国代表のアニカ・シュロイ(Annika Schleu)は、この問題が起きるまで好位置につけていた。

 バッハ会長は国際近代五種連合(UIPM)について、別の問題に直面していると指摘。同競技から乗馬を除外してフォーマットを改善すると同時に、経費を削減してより多くの人にアピールする必要があると述べた。

 東京五輪で追加競技となったスケートボード、スポーツクライミング、サーフィンに関しては、「若者に焦点を当てている」としてIOC理事会の全面的なお墨付きを得ており、来年2月の北京冬季五輪で開かれる理事会において、2028年大会の実施競技に推薦される。(c)AFP