近代五種独代表と馬たたいたコーチ、動物虐待で訴えられる
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【8月14日 AFP】ドイツの動物福祉団体は13日、東京五輪の近代五種女子の馬術に出場した同国代表のアニカ・シュロイ(Annika Schleu)と馬をたたいて大会から追放されたコーチのキム・ライスナー(Kim Raisner)氏を、動物への虐待行為で提訴したことを明らかにした。
同団体はコメント文で、「動物への虐待」および「動物虐待のほう助と指示」でシュロイとライスナー氏を告発したと述べた。同選手に対しては、「おびえて大きな負担を感じている馬を、何度も乱暴にたたいた」と批判し、同コーチについてはアスリートに「動物へのこの虐待行為を強く指示した」と訴えている。
6日に行われた同競技で、シュロイは馬術まで好位置につけていたが、馬のセントボーイ(Saint Boy)号を制御できなくなったときに事件は起きた。
馬が障害の飛越を拒否すると、同選手はいら立って涙目になりながら馬をむちで何度もたたきつけていた。生中継された映像では、ライスナー氏が同選手に「たたけ」とけしかけている声が確認された。
国際近代五種連合(UIPM)がその後、映像でライスナー氏が「拳で馬を殴っているように見える」と指摘したことを受け、同氏は大会から追放された。シュロイもメダル圏内から大きく後退し、31位に終わった。
近代五種の馬術では、選手は抽選で選ばれた馬に騎乗する。
その後、ライスナー氏は独スポーツ通信社SIDとのインタビューで、「自分が『たたけ』と指示した。しかし、彼女(シュロイ)は、どんなやり方であろうとも、馬を酷使してはいなかった」と語った。
一方、シュロイは独週刊紙ツァイト(Die Zeit)に対し、馬の扱い方について「極めて厳しいもの」ではなかったと主張。しかしながら、「もう少し落ち着いてもっと冷静」に対応することもできたかもしれないと認めた。(c)AFP