【12月7日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は6日、インドを訪問し、同国を「強国」と称賛した。米国は世界最大の民主主義国であるインドとの関係深化を目指しているが、プーチン氏は今回の訪問で、従来の同盟国であるインドとの軍事・エネルギー面での関係を強化した。

 プーチン氏はインドの首都ニューデリーで、ナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相と会談し、10年間にわたる防衛技術協力協定と1年間の石油契約を締結。「われわれはインドが強国であり、長年の友好国だと認識している」と言明した。

 新型コロナウイルス流行が始まって以降、プーチン氏による外遊は、6月にスイス・ジュネーブで行ったジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領との会談に次いで2度目。今年開催された20か国・地域(G20)首脳会議と国連(UN)気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)はいずれも欠席していた。

 プーチン氏とモディ氏の会談後、インド政府は、ロシアが今月、長距離地対空ミサイル防衛システム「S400」の納入を開始したことを発表した。米国はインドのS400導入に反発し、制裁を科す可能性もあると警告していた。

 軍隊の近代化を目指すインドにとって、ロシアは長年にわたり重要な武器供給国となってきた。両国間の現行契約の中でも、S400ミサイルシステムは特に注目を集めていた。

 ニューデリーのシンクタンク、オブザーバー・リサーチ・ファウンデーション(Observer Research Foundation)のナンダン・ウニクリシュナン(Nandan Unnikrishnan)氏は、今回のプーチン氏訪問は「非常に象徴的」であると指摘。「ロシアは中国と、インドは米国と親密な関係にあることから、インド・ロシア関係にほころびが生じているのではないかとの臆測が飛び交っていたが、今回の訪問でそうした見方は否定された」と説明している。(c)AFP/Aishwarya KUMAR