■クーデターの年

 2月1日、ミャンマーで軍事クーデターが勃発。事実上の政権トップだったアウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)国家顧問が拘束され、10年にわたって続いた民主化の試みが終わりを迎えた。以降、ミャンマーでは政権を奪取した国軍に対する抗議デモが続いているが、暴力的な弾圧により1200人以上が死亡、数千人が拘束されている。

 スー・チー氏は12月初旬、国軍への抗議を扇動した罪と新型コロナウイルス規制に違反した罪で合わせて禁錮4年の有罪判決を言い渡され、減刑で禁錮2年とされた。スー・チー氏はさらに複数の汚職罪で訴追されており、それぞれの罪の最高刑は禁錮15年となっている。

 西アフリカのマリでは、昨年8月のクーデターを主導し、暫定政府の副大統領に就いた陸軍将校のアシミ・ゴイタ(Assimi Goita)大佐が5月24日、2度目のクーデターを起こした。マリ憲法裁は同29日、ゴイタ大佐を暫定大統領に任命した。

 北アフリカのチュニジアでは7月、カイス・サイード(Kais Saied)大統領が自らの権限を拡大。サイード氏は「差し迫った危機」下の権限を行使し議会を停止した後、ほぼ全権を掌握した。チュニジアは10年前に中東を席巻した民主化運動「アラブの春(Arab Spring)」で唯一の成功例とされたが、国内情勢は混迷している。

 西アフリカのギニアでは9月5日に起きた軍事クーデターで、アルファ・コンデ(Alpha Conde)大統領が失脚した。

 北東アフリカのスーダンでは、長年独裁体制を敷いたオマル・バシル(Omar al-Bashir)政権が2019年に崩壊し、その後発足した暫定政府の文民メンバーが10月25日、軍によって拘束された。

■ハマス・イスラエル戦争

 5月3日、イスラエルの占領下にある東エルサレムのシェイク・ジャラ(Sheikh Jarrah)地区で、イスラエル当局とパレスチナ人の衝突が発生。同地区に住むパレスチナ人への、ユダヤ人入植者による立ち退き要求がきっかけとなった。

 衝突はイスラム教の聖地アルアクサ・モスク(Al-Aqsa Mosque)周辺にも拡大し、数百人の負傷者が出た。

 最初の衝突から1週間後、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)が、イスラエルに対してロケット弾を発射。イスラエルは報復空爆を実施し、その後11日間にわたって攻撃の応酬が続いた。死者数はパレスチナ側が260人、イスラエル側が兵士1人を含む13人に上った。

 6月13日、イスラエルで強硬派のナフタリ・ベネット(Naftali Bennett)首相が率いる新政権が発足。12年間続いたベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)政権に終止符が打たれた。