【10月7日 AFP】サッカースペイン1部リーグ、FCバルセロナ(FC Barcelona)のフェラン・レベルテル(Ferran Reverter)最高経営責任者(CEO)は6日、ジョアン・ラポルタ(Joan Laporta)会長が就任した今年3月時点のクラブは「事実上破産」した状態で、公開有限会社であれば「解散」していただろうと明かした。

 バルセロナの財政難は、リオネル・メッシ(Lionel Messi)を維持する余裕がないことを認め、フランス・リーグ1のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)に同選手の放出を余儀なくされた8月に表面化した。

 ジョゼップ・マリア・バルトメウ(Josep Maria Bartomeu)前会長の辞任を受けて2度目の会長に就任したラポルタ氏の下、新体制は13億5000万ユーロ(約1740億円)の負債と巨額に膨れ上がった給料の支払いを引き継いだ。

 コンサルティング・グループ、デロイト(Deloitte)による監査結果を説明した会見の場でレベルテル氏は、「もしクラブがPLC(公開有限会社)だったら解散していただろう」と明かした。

「2021年3月の時点で事実上の破産状態であったが、スポーツ団体として債務の借り換えが可能だった」と説明したレベルテル氏は、クラブの「キャッシュフローはゼロに近かった」ため、「給与の支払いが困難」であったと明かした。

 レベルテル氏によると、デロイトは2018-19シーズンから2021年3月までのクラブの財政状況を調査。クラブには「深刻な経営上の欠陥」があり、かつての上層部は「現実から逸脱して選手を購入した」と指摘された。

 また、2016年から2020年にかけてクラブの人件費は4億7100万ユーロ(約607億円)から7億5900万ユーロ(約978億円)に61パーセント上昇したが、新体制により1億5500万ユーロ(約200億円)の削減が行われたという。

 クラブは厳しい財政状況にあるものの、バルセロナは500万ユーロ(約6億4000万円)の黒字で今季を終える見通しを立てている。(c)AFP