【8月26日 AFP】ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン(Jacinda Ardern)首相は26日、感染力の強い新型コロナウイルス変異株「デルタ株」も市中から根絶が可能だとの考えを明らかにし、これまで推進してきた「コロナゼロ」戦略は引き続き有効だと主張した。

「感染者ゼロ」を目指すニュージーランドのウイルス根絶戦略をめぐっては、デルタ株の感染拡大を受けて、もはや効果がないのではないかとの懸念が指摘されている。

 26日の新規感染者は68人だったと発表したアーダーン氏は、感染症の専門家からも市中感染根絶の取り組みを継続するよう助言を受けたと説明。「専門家らの見解では、(根絶は)可能なだけでなく、依然として最善の戦略だ。私も全面的に同意する」と述べた。

 同様に「コロナゼロ」を目指してきたオーストラリアのスコット・モリソン(Scott Morrison)首相は今週、デルタ株の根絶を試みるのは「全くばかげている」と発言。「ニュージーランドにもできない」との見方を示していた。

 しかし、アーダーン氏は否定的な意見については「気にしていない」と一蹴。ニュージーランドの対策は奏功し、死者は人口500万人中26人にとどまっていると指摘した。

「私たちは人命を守ろうとし、成功している。国民の生活をできるだけ日常のまま維持しようとし、制限期間はどの国よりも短かった」とアーダーン氏は述べ、「そして、雇用と経済を守りたいと考え、コロナ前の経済水準を維持することを目指し、それも実現した」と続けた。(c)AFP