■「誰もがスーパースターになりたがる」

 それでも、ラテシュワルさんが一貫して中心に据えているのは、ダラビの生徒たちの声を社会に届け、将来の見通しがしっかり立つようにすることだ。

「もちろんみんなスーパースターになりたがるのですが(中略)、アーティストのマネジャーなど音楽業界の他のキャリアや、ソーシャルメディアの仕事などについても説明するようにしています」とラテシュワルさん。「何より、生徒たちには自身を持ってほしいのです」

 ユーチューブ(YouTube)の動画でブレークダンスを学んだというスクールの講師、ビクラム・ガジャ・ゴダキヤ(Vikram Gaja Godakiya)さん(21)は、ここで教えることには安定した収入を得る以上の意味があると言う。

 9年前にひそかにブレークダンスを始めたときは、それで生計を立てるようになるとは想像もしていなかった。

「ブレークダンスは私に生きる目的を与えてくれました」とビクラムさん。「生徒にも、100%の力を出せばどんなことでもできると知ってもらいたいのです」 (c)AFP/Ammu KANNAMPILLY