【8月22日 AFP】ムンバイ(旧ボンベイ)にあるインド最大のスラム、ダラビ(Dharavi)が新型コロナウイルスの流行に打ち勝つと、そこに住む若者らはスマートフォンで勝利を祝うラップ動画を撮影し、ネットで公開した。

「初め僕らは怖かった。一体何が起きるのか。けど、立ち上がったよ、医者と一緒に。(中略)さあ、次は君の番」。若い男性がラップする。

「やったぞ」という意味のヒンズー語、「カル・ディカヤ」という言葉が繰り返されるビデオは、新たな才能を世に示し、セレブたちの称賛も得た。だが、これを生み出した若者らが変わらずに持ち続ける目標は、ムンバイのこの人口過密地域に付きまとう汚名をそそぐことだ。

 ダラビのスラムには約100万人が住んでいる。その多くが一部屋しかない粗末な小屋に住み、共同トイレを使っている。

 迷宮のように入り組んだスラムの路地には長い間、不潔で疫病の巣とのイメージがまとわりつき、住民は絶え間ない差別にさらされてきた。そのスラムが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との闘いでは目覚ましい成功を収めている。

 ヒップホップ・スクール「ダラビ・ドリームプロジェクト(Dharavi Dream Project)」で注目を集めている生徒の一人、アユーシュ・テガール・レヌカ(Ayush Tegar Renuka)さん(16)は、ダラビの一員であることを「とても誇りに思う」とAFPに語った。

 スクールが開校したのは2015年。共同創設者のドリー・ラテシュワル(Dolly Rateshwar)さんが勤務する新興デジタルメディア企業キューキ(Qyuki)と米エンターテインメント大手ユニバーサルミュージックグループ(Universal Music Group)が費用を負担し、最初は20人ほどの生徒にブレークダンスやビートボックス、ラップを無料で教えていた。