【7月28日 AFP】(更新)米体操女子のスター選手、シモーネ・バイルス(Simone Biles)は、27日に東京五輪の団体総合決勝を途中棄権した理由が「メンタルヘルス」の懸念にあったことを明らかにした。

 五輪金メダル4個を獲得している24歳のバイルスは、「私は自分にとって正しいことをして、自分のメンタルヘルスを優先し、自分の健康と幸せを危険にさらさないようにしなければいけない」と語った。

 バイルスは最初の跳馬で精彩を欠くと、会場を一時離れた。再び会場入りした直後、米国はバイルスの途中棄権を決定。決勝ではロシア五輪委員会(ROC)が米国を抑え、金メダルを獲得した。

 バイルスは、表彰式でチームメートと共に銀メダルを受け取った後、けがをしたわけではなかったと説明。「ただ、以前と比べて自信がなくなった。それが年齢のせいなのかは分からない。体操をする時、不安が少し増すようになった」と明かした。

 さらに「前ほど楽しめていないように感じる。この五輪は自分のためのものにしたかった」と打ち明けると、涙を流した。「悔しいのは、これが五輪で起きたということ…ただここ1年のことを考えると、こうなったことにそこまで驚いてはいない」

 バイルスは29日の個人総合決勝で金メダル獲得が有力視されているが、それまでに回復しなければ大きな番狂わせとなる。

 今回の五輪で同じく注目選手だった女子テニスの大坂なおみ(Naomi Osaka)も27日、チェコのマルケタ・ボンドロウソバ(Marketa Vondrousova)との対戦でミスを連発し、1-6、4-6で敗れた。

 大坂は5月、選手らに義務付けられているメディア対応によりメンタルヘルスが害されているとして、全仏オープン(2021 French Open)を棄権。以後の試合には出場していなかった。(c)AFP