【7月27日 AFP】東京五輪は27日、テニス女子シングルス3回戦が行われ、大会第2シードの大坂なおみ(Naomi Osaka)はチェコのマルケタ・ボンドロウソバ(Marketa Vondrousova)に1-6、4-6で敗れ、母国で金メダルを獲得する夢が打ち砕かれた。

 屋根の閉じた有明コロシアム(Ariake Coliseum)で、大坂はミスを連発するなどして敗退が決まり、本格的な実戦復帰は突如として終わりを迎えた。

 通算4度の四大大会(グランドスラム)優勝を誇る大坂は、「今どれくらい失望しているかって? 負けるたびにがっかりしているけれど、今回のはとりわけつらい」とコメント。敗因を聞かれると、「何もかも。もし試合を見ていたら分かるはず。自分が持っていたはずのたくさんの武器が、きょうは頼りにならなかったと感じている」と答えた。

 大坂はこの数か月間、嵐のような時間を過ごしてきた。5月の全仏オープン(French Open 2021)では、精神衛生を保つ必要があるとして記者会見の出席を拒否した後、大会を途中棄権。さらに、うつや不安に苦しんでいることを告白し、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2021)の出場も見送った。

 実戦復帰戦であると同時に自身初の五輪出場となった今大会では、開会式で聖火台に火をともすなど、主役の一人を務めていた。「たくさんの重圧を感じていたのは間違いない。五輪ではプレーしたことがなく、これが初めての年だったというのも少し重かった」と大坂は明かした。

 8週間の休養を経て臨んだ2回戦までは盤石な様子を見せていたが、この日は試合開始から苦戦を強いられ、一度も挽回することができなかった。

 大坂は「長い休暇を過ごした後、うまく対処できていた。出来が悪かったといっているわけではないが、期待値はもっと高かったと自覚している」と話し、「自分の姿勢があまり良くなかったかもしれない。ただそうしたプレッシャーにどうやって対処したらいいか本当に分からなかった。これが今の自分にできる精いっぱいだった」と付け加えた。

 女子のドローは世界ランキング1位のアシュリー・バーティ(Ashleigh Barty、オーストラリア)や第3シードのアリーナ・サバレンカ(Aryna Sabalenka、ベラルーシ)もすでに敗退しており、優勝争いの行方は不透明な状況となった。 (c)AFP