【4月30日 AFP】新型コロナウイルスの影響で今夏に延期された東京五輪について、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)の橋本聖子(Seiko Hashimoto)会長は30日、AFPに対し、大会が無観客で開催される可能性があると述べ、大会の安全性を確保することを誓った。

 元五輪選手の橋本会長は、大会が成功するには組織委がアスリートや日本国民を守り切ることが不可欠であるとの見解を示すと、大会が開催された際には人々が「やってよかった」と思ってくれることを願っていると語った。

 東京五輪はすでに海外客の受け入れが見送られることになっており、新型コロナウイルスの感染が再拡大していることを理由に、先日には国内の観客数の上限に関して決定を6月に先送りすると発表した。

 橋本会長はインタビューの中で「観客の皆さんをお断りせざるを得ない状況になるかもしれない」と明かすと、「すべての選手団の皆さんの健康と、日本の選手団と日本国民の命と健康を守り切って初めて、大会の成功といえる」と語った。

 日本国民の大半が大会の再延期や中止を支持している中、新型コロナウイルスの感染者数が急増していることを受けて、4都府県に緊急事態宣言が出された。医療体制がひっ迫する中、組織委が大会に向けて医療スタッフの確保を要請したことには批判が集まっている。

 橋本会長は、観客の受け入れを断念すれば厳しい医療の状況を緩和できる可能性があるとの認識を示し、観客の部分で大会自体を変えていけば「医療に対する人々の不安を軽減することができると思う」と述べた。