太陽系外から飛来の彗星「最も原始の姿とどめた」天体か 研究
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■真に原始の状態のままの天体
論文の共同執筆者で、米メリーランド大学(University of Maryland)天文学部のリュドミラ・コロコロワ(Lioudmila Kolokolova)氏はAFPに「ガス噴流の痕跡やその他の特徴のない、非常に一様なコマが観測されていることから、ボリソフ彗星は表層が存在しないと考えている」と話した。
「つまり、真に原始の状態のままの天体であり、放射や荷電粒子による影響をほとんど受けていない」
英科学誌ネイチャー・アストロノミー(Nature Astronomy)に同じく先月30日に掲載された論文では、ボリソフ彗星のコマに含まれる塵を分析し、「ペブル」 と呼ばれる固体微粒子でできていることを明らかにした。
筆頭執筆者の欧州南天天文台(ESO)の天文学者、楊彬(Bin Yang)氏によると、この微細なペブルの塵は形成過程に由来するもので「太陽系の場合とよく似た、巨大惑星の重力によるかき回しに起因すると考えられる」という。
これは、ボリソフ彗星の組成が「太陽系の彗星にとてもよく似ている」ことを示していると、楊氏は話した。(c)AFP/Marlowe HOOD / Patrick GALEY