【2月22日 AFP】ミャンマーでは22日、クーデターで実権を掌握した軍事政権がデモ隊にさらなる死者が出ると警告する中、再び大勢の市民が街頭に繰り出した。4人のデモ参加者が死亡したことを受け、国内では緊張が高まっている。

 国軍のクーデターとアウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)国家顧問の拘束から3週間が経過したが、ミャンマーでは全土で大規模な抗議デモが続いている。多くの市民が不服従運動に参加して仕事をボイコットしており、民間企業だけでなく銀行や政府機関の業務にも支障をきたしている。

 ミャンマー国営放送(MRTV)は21日、「デモ参加者たちが、感情に流されやすい10代の子どもたちや若者らを中心に、人々を対立の道へと扇動している。それは、命を落とすことになる道だ」との声明を読み上げ、「暴動と無秩序」を引き起こさないようデモ隊に警告した。

 しかし、市民らは脅しに屈さず、22日も大規模な街頭デモを展開。最大都市ヤンゴンでは警察や軍が警備を強化する中、午前中から2地区に数千人が集結。その後、数万人規模のデモとなっている。参加した大学生のチョー・チョー(Kyaw Kyaw)さん(23)は「皆、弾圧を心配しているけれど、前に進みます。私たちはひどく怒っているのです」と語った。

 匿名でAFPの取材に応じた別のデモ参加者(29)も、「国軍は選挙で選ばれた文民政府から不当に権力を奪った」と怒りを表明。「自由、民主主義、正義を獲得するまで私たちは闘う」と決意を口にした。

 首都ネピドーでも、バイクに乗ったデモ隊など数千人が抗議。北部ミッチーナ(Myitkyina)と南部ダウェー(Dawei)でもデモが行われている。

 ヤンゴンなど主要都市では22日、ゼネストの呼び掛けに応じて多くの店舗や企業が休業している。

 国軍は、抗議デモの取り締まりを徐々に強めてきた。政治犯罪による逮捕者数は増えており、治安部隊による実力行使ではゴム弾や催涙ガス、放水に加え、実弾も使用されている。

 人権監視団体「ビルマ政治囚支援協会(AAPP)」によると、クーデターの発生以降、これまでに640人が当局に拘束された。その中には、クーデターに抗議してストライキに参加した鉄道職員や公務員、銀行員らも多く含まれている。

 映像前半はダウェーで22日撮影・提供。後半はヤンゴンで22日撮影。(c)AFP