【2月18日 AFP】クーデターでミャンマーの実権を掌握した軍事政権のウェブサイトが18日、サイバー攻撃を受けた。当局が全国的な抗議デモを妨害しようと4夜連続でインターネット接続を遮断し、国軍部隊を各地に展開する中、クーデターに抗議するハッカーらがサイバー空間を舞台にした闘いを挑んでいる。

「ミャンマー・ハッカーズ(Myanmar Hackers)」を名乗るグループは、国軍のプロパガンダ(政治宣伝)用サイトや、中央銀行、ミャンマー国営放送(MRTV)、港湾局、食品医薬品局などのウェブサイトを攻撃した。「われわれはミャンマーの正義のために闘っている」とフェイスブック(Facebook)上で主張し、サイバー攻撃は「政府系ウェブサイトの前での大規模デモ」だとうたっている。

 サイバーセキュリティーに詳しい豪ロイヤルメルボルン工科大学(RMIT)のマット・ウォーレン(Matt Warren)氏は、「(サイバー攻撃の)影響は限定的かもしれないが、目的は人々の関心を高めることだ」と述べた。

 一方、世界のネット接続状況を監視する英団体ネットブロックス(NetBlocks)によると、ミャンマー国内のインターネットは18日午前1時(日本時間同3時半)から4夜連続で8時間にわたって遮断され、アクセスは通常の21%まで減少した。

■車の故障装い治安部隊を妨害、公務員の逮捕相次ぐ

 ミャンマーでは、アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)国家顧問率いる文民政権に対する国軍のクーデターに抗議するデモが全国各地で続いている。

 最大都市ヤンゴンでは18日も、前日に引き続き、故障したと見せ掛けてボンネットを開けた状態の車両で道路を封鎖し、治安部隊の通行を妨げるデモが各所で展開された。

 複数の情報筋によれば、国内第2の都市マンダレー(Mandalay)では17日夜~18日未明、線路を封鎖していたデモ隊に治安部隊が発砲し、1人が負傷した。使用されたのが実弾かゴム弾かは不明という。人権監視団体「ビルマ政治囚支援協会(AAPP)」は、市民的不服従運動に参加していた国鉄の運転士4人が拘束され、銃を突き付けられて北部ミッチーナ(Myitkyina)まで列車を移動させられたとしている。

 また、外務省当局者によると、同省職員11人が18日未明、市民的不服従運動に参加したとの理由で逮捕された。AFPの取材に匿名で応じた警察官は、この4日間に逮捕された公務員は少なくとも50人に上ると語った。

 MRTVは、不服従運動を呼び掛けた複数の著名な俳優、映画監督、歌手が指名手配されたと伝えている。(c)AFP