【2月17日 AFP】ミャンマーで起きた軍事クーデターとそれに続く混乱について、現地の中国大使が16日、「決して中国が望むものではない」と述べ、中国が関与したとするソーシャルメディア上のうわさを一蹴した。

 ミャンマーでは今月1日のクーデターで国軍が政権を奪取して以来、数百人が逮捕されるなど、反発する市民への弾圧が強まっている。

 中国の陳海(Chen Hai)駐ミャンマー大使は大使館の公式サイトに公開された談話の中で、「わが国は以前から選挙をめぐるミャンマーの内紛には気付いていたが、政変については事前に知らされていなかった」と述べた。

 中国やロシアのようなミャンマー国軍の昔からの同盟国はこれまで、クーデターに対する国際的な反発に「内政干渉」だと反論していた。中国国営メディアは今回のクーデターとミャンマーの事実上の指導者であるアウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)氏の拘束についても「大規模な内閣改造」と表現し、クーデターというレッテルを貼らないようえん曲表現を用いていた。

 だが今回、陳氏は「ミャンマーで現在起きている展開は、決して中国が望むものではない」と述べた。さらに中国は、ミャンマーの全当事者が政治的・社会的安定を維持しながら、相違点について対処することを望んでいると付け加えた。

 また、「政治情勢の変化」は「内政問題」だが、ミャンマーの近隣諸国との関係に波及効果をもたらすだろうとも述べた。

 ソーシャルメディア上でうわさされているクーデターへの中国の関与について、陳氏は「ナンセンスでばかげている」と一蹴した。うわさの中には、ミャンマーの市街に中国兵が現れた、ミャンマーのファイアウオール構築を中国が支援しているといったものがある。(c)AFP