■観光業

 ラシェド・アルアミリ(Rashed al-Ameri)さんは、砂漠にのみ込まれた集落を見に来たオマーン人観光客の一人だ。

 オマーンは、石油に依存している経済の多様化を目指し、豊かな歴史遺産、美しい海岸線、見事な山々を生かした観光業の発展を模索している。

 2019年にオマーンを訪れた外国人観光客は300万人。しかし2020年は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)によって、他国と同様に訪問者数が激減した。

 アルアミリさんは、ワディアルムルは容易に観光ルートの仲間入りができると考えている人々の中の一人だ。

「自然の力で村が完全に消えてしまうことが、驚きだった」と言い、「さらに驚くのは、この場所が、こんな古い壁で、自然の脅威に耐えてきたかということだ」と語った。(c)AFP/Khalid Orabi