【1月11日 AFP】インドネシア機墜落事故をめぐり、捜査関係者は11日、墜落前に同機から緊急事態の通知や技術的な問題の報告はなかったと明らかにした。

 格安航空会社(LCC)スリウィジャヤ航空(Sriwijaya Air)SJ182便のボーイング(Boeing)737-500型機は9日、首都ジャカルタで離陸したわずか4分後に急降下し、ジャワ海(Java Sea)に墜落。当時、子ども10人を含む62人が搭乗していた。

 運航年数26年の同機の墜落原因は、現時点では分かっていない。ただブラックボックスの位置は特定されており、その捜索がジャカルタ沖で続けられている。

 国家運輸安全委員会(NTSC)の捜査官によると、同機は航空管制と通常の交信を行っており、その後1分弱で約3000メートル急降下して海に墜落する直前には、特に連絡はなかったことが、通信記録から判明したという。

 同捜査官はAFPに「普通のやりとりのようで、疑わしいことは何もなかった」「緊急事態などの通知はなかった」と明かした。

 また同機には墜落時にも損傷がなかった「可能性が非常に高い」ことが初期データから分かっていると述べる一方、墜落原因は「現段階では不明」だとした。

 地元メディアは、墜落機のパイロット(54)は3児の父親で元空軍操縦士、数十年の操縦経験があったと報じている。

 遺体の捜索活動に加え、犠牲者の衣服や同機の残骸の回収作業が続いている。遺体の身元調査も進められており、11日夜に最初の1人の身元が特定された。(c)AFP/Haeril HALIM