【1月6日 AFP】台湾の国防当局は5日、昨年防空識別圏(ADIZ)に中国機が380回入り、過去最多だったと発表した。ある軍事シンクタンクは、中台間の緊張が1990年代半ば以降で最も高まっていると警告している。

 昨年、中国の戦闘機や爆撃機、偵察機はかつてない頻度で台湾のADIZ内に入った。台湾国防部(国防省)の報道官は「2020年に発生した、ADIZ南西域への380回という侵入回数は、それ以前に比べてはるかに多い」とし、「地域と台湾の安全保障に対する脅威だ」と述べた。

 同報道官はこれらの中国機について、「台湾軍の反応を試し、防空体制に圧力をかけ、われわれの活動領空を狭める」ために同域を集中的に狙っているとの見方を示した。

 さらに、米高官らによる2度の訪台中に、中国機が台湾海峡(Taiwan Strait)の「中間線」を越えたこともあった。

 中間線は非公式なものであるとはいえ、これまでは同海峡上の台中境界線としておおむね機能してきた。だが中国外務省の報道官は昨年になって、そのような線は存在しないと明言している。(c)AFP