【10月7日 AFP】中国機の防空識別圏(ADIZ)進入に対する台湾機の緊急発進回数が昨年の2倍を超えるペースだと明らかになる中、台湾の蔡英文(Tsai Ing-wen)総統は6日、自衛において「一歩も譲らぬ」と警告した。

 台湾軍によると、これまでの中国機に対する緊急発進回数は4100回超。1日に換算すると平均22回で、昨年の2倍以上に当たる。

 台湾国防部(国防省)が立法院(議会)に提出した報告書によると、海軍艦の出動回数は、昨年は1年間で6000回未満だったが、今年はすでに7500回を超えているという。

 蔡氏は6日に空軍基地を視察した際、「中国の共産主義者らの威嚇的な軍事力の誇示と脅迫に直面しているが(中略)われわれの領土と主権は一歩も譲らぬという信念を示さなければならない」と述べた。

 中国はここ数か月、台湾に対してこれまで以上に軍事的圧力をかけ、台湾の防衛圏に接近したり、進入したりする船や爆撃機、戦闘機の数を増やしている。専門家によると、狙いは台湾の士気をくじき、その老朽化する装備に負荷をかけ続けることだという。

 現地メディアによると、これまでの緊急発進にかかった費用は、少なくとも41億台湾ドル(約150億円)に上るという。(c)AFP