【11月24日 AFP】中国政府は23日、ライブ動画やライブコマース(ライブストリームショッピング)を配信するプラットフォームは、富の見せびらかしや「拝金主義」といった「悪習慣」を助長してはならないとする指針を発表し、同国の大規模なライブ配信業界への規制を強化した。

 中国では近年、ライブ動画配信の人気が一段と増しており、ライブコマース分野の市場規模はすでに700億ドル(約7兆3000億円)近くに上ると推定されている。

 中国政府はここ数か月、人気女性タレントの露出度の高い服から「卑俗で性的なダンス」に至るまで、プラットフォーム上の「無秩序な」コンテンツを取り締まっており、米ナスダック(Nasdaq)上場のビリビリ(Bilibili)やバイトダンス(ByteDance、字節跳動)傘下のiXigua(西瓜視頻)などの動画配信サービスを非難している。

 国家広播電視総局(NRTA)は23日、新ガイドラインを発表し、「富の誇示や拝金主義などの悪習慣がまん延することを防ぐため」「不道徳で非倫理的な表現者に、公的な場へ姿を現す機会を与えないようにする効果的措置を取る必要がある」と表明した。

 これにより、動画の出演者には実名確認が義務付けられ、場合によっては顔認証も必要とされる。出演者への換金可能な報酬の送付はより厳しく規制されることになり、未成年に対しては送付自体が禁止となる。

 繰り返し違反したユーザーのコンテンツはおすすめ動画から除外され、深刻な場合には、ユーザーは当局に通報されブラックリスト入りし、配信チャンネルは閉鎖されることがある。

 また、中国の多くの代理店が国内で外国人司会者を教育し、海外のインフルエンサーを採用している状況から、新ガイドラインは、著名人や「外国人」が配信チャンネルを始めた際に動画配信サービスが当局に報告する必要があると定めた。(c)AFP