【10月30日 AFP】中国発祥の「シェイン(SHEIN)」は今や米国最大級の通販アプリだ。データ共有アプリ「シェアイット(SHAREit、茄子快伝)」は世界中で大人気だが、インドでは使用が禁止された。動画投稿アプリ「ライキー(Likee)」は、競合する「ティックトック(TikTok)」を追い上げているが、同じような運命をたどらないように必死だ。

 世界の主要市場が中国の技術に対して敵対的になっている中、中国のアプリメーカーは機敏なビジネス展開を余儀なくされている。

 選択肢としてあるのは、プライバシーや安全保障、地政学的いざこざでもめている地域では、目立たないように行動するか、あるいはより友好的な市場に移行して数百万回のダウンロードを勝ち取るかだ。

 ファストファッションのオンライン通販シェインは、米国では歌手のリタ・オラ(Rita Ora)さんやケイティ・ペリー(Katy Perry)さんをはじめとするインフルエンサーや著名人を多数起用し、アプリストア・ランキングでの上昇を狙っている。

 米市場調査会社センサー・タワー(Sensor Tower)によるとシェインは現在、米国、オーストラリア、フランスで、米アップル(Apple)のアプリ配信ストア「アップストア(App Store)」が提供する無料通販アプリの人気ランキング上位5位内に位置している。

 香港を拠点とする小売業界アナリストのフィリップ・ウィゲンラート(Philip Wiggenraad)氏はこうした中国系アプリについて、「世界のユーザーの多くは、中国企業と取引していることに実際は気付いていないだろう」と指摘する。

 今年2月、シェインがSNS大手「微信(WeChat、ウィーチャット)」に投稿したサプライヤー募集によると、シェインは200か国以上で事業を展開しており、2019年の売上高は200億元(約3100億円)を超えたという。