【11月14日 AFP】3日投票の米大統領選をめぐり、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領はツイッター(Twitter)に、激戦州のペンシルベニアなどで多数の票が削除され、民主党のジョー・バイデン(Joe Biden)候補に振り分けられたと投稿した。しかし、この主張は誤りだ。連邦および州の選挙当局によると、この主張を裏付ける証拠はなく、ペンシルベニア州の州務局も、「裏付ける事実はない」と述べている。

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 トランプ氏は12日、選挙関連のテクノロジー企業、ドミニオン投票システムズ(Dominion Voting Systems)による投票システムについてツイッターで言及し、「報告:ドミニオンが全国で270万のトランプ票を削除した。データ解析によると、ペンシルベニア州で22万1000のトランプ票がバイデンに移し変えられた。94万1000のトランプ票も取り消された。ドミニオンの投票システムを使っている州では、43万5000票がトランプからバイデンに移し変えられた」と投稿した。

 バイデン氏はペンシルベニア州での勝利によって、当選に必要な選挙人の過半数に当たる270人以上を獲得。主要メディア各社は11月7日にバイデン氏の勝利を報じているが、トランプ氏は自分が勝者だと主張して敗北を認めることを拒否し、選挙に不正があったという根拠のない主張を続けている。

 これに対して連邦および州の選挙当局は、トランプ氏がツイートで主張した内容を認めない考えを発表した。

 選挙インフラ政府調整評議会実行委員会(Election Infrastructure Government Coordinating Council Executive Committee)と選挙インフラ部門調整評議会(Election Infrastructure Sector Coordinating Council)は、「投票システムによる票の取り消しや紛失、変更、または何らかの形で障害が発生したという証拠はない」と述べている。

 ペンシルベニア州の州務局も22万1000票がバイデン氏のものに変更されたという主張を退け、「この言い分を裏付ける事実はない。不正および違法行為があったとする主張は、裁判によって繰り返し覆され、退けられてきた。米国民の基本的価値観に対するこうした攻撃は、米国の民主主義を損ねようとするものであり、認めるわけにはいかない」と明言した。

 トランプ氏の投稿で非難された企業、ドミニオン投票システムズも同氏の主張に反論。「ドミニオンは、当社の投票システムで票が変更されるか、ソフトウエアに問題があったとするあらゆる主張を断固として否定する」とツイッターに投稿した。(c)AFP