【9月15日 AFP】ブラジルのビールメーカー、アンベブ(Ambev)が、「アマゾン(Amazon)熱帯雨林の保護」と「ビール愛」という関連性がなさそうな二つの偉大なテーマを組み合わせた、風変わりな新商品を発表した。

 同社の発表によると、「コロラド・アマゾニカ(Colorado Amazonica)」と名付けられた新商品は、世界最大の熱帯雨林アマゾンの森林破壊の度合いに応じて価格が変動する仕組み。「森林破壊面積が減少すれば、ビールの価格も下がる。森林が減るほど、ビールは高くなる」という。

 アンベブは世界最大の酒類メーカー、アンハイザー・ブッシュ・インベブ(AB Inbev)の傘下にある。

 収益はすべて、アマゾン地域の先住民族の共同体、現地住民、家族経営の農家などのネットワークに寄付される予定。

「コロラド・アマゾニカ」はアマゾン産のスパイスを使用したクラフトスタイルの小麦ビールで、今のところオンライン限定販売となっている。

 3日の発売時には1本5.49レアル(約110円)だったが、10日までに価格は46%上昇している。

 ブラジルでは、2019年1月に極右のジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)氏が大統領に就任して以来、気候変動を抑える上で極めて重要な存在であるアマゾン熱帯雨林の破壊が急激に進み、火災も頻発している。

 ブラジルのアマゾンの森林破壊面積は、ボルソナロ氏の就任1年目に85.3%増加し、延べ1万123平方キロになった。

 今年の増加率は、過去最高を記録した昨年に比べると減ってはいるが、減少率は今のところ約5%にとどまっている。(c)AFP