【9月3日 AFP】米警察当局は、首都ワシントンで2日、警官がアフリカ系米国人男性を射殺したと発表した。米国ではこのところ警察の手によって黒人が命を落とす事例が相次いでおり、全米各地で激しい抗議行動に発展している。

 現場は首都南東部で、射殺された男性は18歳とされる。当時、警察は車に複数の銃が隠されているとの情報提供を受け、捜査中だった。

 首都警察のピーター・ニューシャム(Peter Newsham)本部長は、記者会見で「(警官らが)車両に近づいた際、車内にいたうちの何人かが徒歩で逃げだした。警官の一人が発砲した」「成人とみられる男性1人が地元の病院に搬送されたが、死亡が確認された」と説明した。

 ニューシャム氏は、警察が「犯罪の現場」から銃2丁を押収したと述べた。

 米国では数か月にわたり、警察の過度な力の行使をめぐって抗議デモが続いている。2日前にはロサンゼルスで、自転車に乗っていた黒人男性を交通違反容疑で呼び止めた警察が射殺する事件が起きたばかり。

 射殺された男性の母親と話したというアフリカ系米国人の地元議員、トレヨン・ホワイト(Trayon White)氏は地元テレビに、「正面から撃たれたという人もいれば、背後から撃たれたという人もいる」「(警察官が装着している)ボディーカメラ映像に何が映っているかを確認したい。彼が逃げていたのかどうか、なぜ撃たれたのかをはっきりさせたい」と述べた。(c)AFP