米資産家フリードキン氏、740億円でローマの買収完了
このニュースをシェア
【8月18日 AFP】米国の資産家ダン・フリードキン(Dan Friedkin)氏(54)は17日、5億9100万ユーロ(約740億円)でイタリア・セリエAのASローマ(AS Roma)を買収し、チームを「サッカー界最高のクラブの一つ」にすると誓った。
フリードキン氏は、9年間にわたりローマのオーナーを務めた同胞の実業家ジェームズ・パロッタ(James Pallotta)会長(62)からクラブを引き継ぎ、「ASローマの一員になれて喜んでいる」「ファンの一人に先日こう言われた。『私たちの象徴的なクラブを持って、サッカー界最高のクラブの一つにしてほしい』と」「まさにそのつもりだ。ローマに全力を注いでいく。この心躍る旅に乗り出すにあたり、ローマには頻繁に顔を出すことになる。われわれの心の中に特別な場所を占めている街だ」と述べた。
「クラブとチームに対するわれわれのビジョンは、手っ取り早い解決法よりも、持続可能で長期にわたる投資アプローチを支持することだ」「ローマの魂の重要な部分となっているこのチームと、われわれは信頼関係を築いてきたと認識している。これはこの先ずっと、われわれが非常に真摯(しんし)かつ謙虚に受け止めていく責務だ」
米ヒューストン(Houston)に拠点を置くフリードキン氏は、自動車やホテル、娯楽産業に特に関わっているコンソーシアム、フリードキン・グループ(Friedkin Group)の最高経営責任者(CEO)を務めている。
同グループは投資会社を通じてローマの株式86.6パーセントを購入し、残り13.4パーセントを取得するために義務的公開買い付けを開始するという。
ローマはフリードキン氏がパロッタ氏の後任として会長に就任し、新たな執行委員には息子のライアン(Ryan Friedkin)氏が名を連ねる。また、CEOのギド・フィエンガ(Guido Fienga)氏は留任する。
パロッタ氏は2012年にクラブの株式の3分の2を手に入れたが、2014年以降は100パーセントの所有権を獲得。しかし、米ボストン(Boston)を拠点とする同氏は、イタリアにはほとんど姿を見せなかったほか、チームのレジェンドで共にクラブから追い出された形となったフランチェスコ・トッティ(Francesco Totti)氏やダニエレ・デ・ロッシ(Daniele De Rossi)氏への対応などをめぐり、ファンからの人気は低かった。
ローマは2001年にクラブ史上3度目のリーグ優勝を果たしたものの、2008年のイタリア杯(Italian Cup)を最後にトロフィーを掲げていない。今シーズンはリーグ5位に終わり、2季連続で欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)の出場権を逃した。
フリードキン氏は、ローマファンに向けて、「あなたたちと肩を並べて立ち上がり、このクラブを発展させ、将来のトロフィーを目指していく」と述べた。(c)AFP