【6月19日 AFP】米大リーグ(MLB)機構のロブ・マンフレッド(Rob Manfred)コミッショナーとMLB選手会(MLBPA)のトニー・クラーク(Tony Clark)専務理事の直接会談が18日に行われ、両者の対話は依然としてこう着状態に陥っている。

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 16日に行われた両者の会談で、マンフレッド氏が「共同で枠組みを構築した。この合意は協定の基礎となる可能性を持っている」とした一方で、17日には選手会側が「合意したとの報道は間違いだ」とツイートしていた。

 3月26日に結ばれた選手会との協定では、シーズンに関して新しい合意に至らなければ試合数に比例した給与になるとされており、MLBは全試合を無観客とした上で今季は48試合での開催を強行する可能性がある。そうなった場合、選手側は苦情を申し立てるとみられる。

 時間が刻一刻と過ぎていく中、これまでリーグ側はレギュラーシーズンを9月27日までに完了し、寒い季節になって新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が悪化することを想定して、プレーオフの終了時期を10月下旬か11月上旬にする方針を打ち出していた。

 米スポーツ専門チャンネルESPNがこの日、匿名情報として報じた内容によると、オーナー側から提示された最新のオファーでは、今月28日から3週間のトレーニングキャンプを行った後、来月19日か20日に開幕して60試合をプレーするものとなっていた。

 選手が受け取る給与は試合数に比例した金額で、総額15億ドル(約1600億円)あるいはフルシーズンの37パーセントに加え、プレーオフの報酬としては総額2500万ドル(約26億7000万円)が支払われるという。

 プレーオフは出場枠が来季までの2シーズンで10チームから16チームに拡大されるほか、ア・リーグと同様にナ・リーグでも指名打者(DH)制が採用される方針が示されている。また、両リーグが協定に抗議する権利を放棄することも盛り込まれる見通しとなっている。

 ESPNによると、選手会側はオーナー側に70試合の対案を用意しているとされており、両者の隔たりはわずか10試合であるため、間を取って65試合で妥協する可能性がある。通常ではシーズンは各球団につき162試合となっている。(c)AFP