【6月17日 AFP】普段は穏やかなフランス東部の都市ディジョン(Dijon)で、チェチェン人コミュニティーによる報復行為としての襲撃が4夜連続で発生しており、フランス全土に衝撃を与えている。

 警察によると攻撃は、今月、16歳のチェチェン人の少年が暴行を受けたことがきっかけとなった。フランス国内だけではなく、ベルギーやドイツなど近隣諸国からもチェチェン人がディジョンに集まっていると報じられている。

 対象は北アフリカ出身者の大規模コミュニティーがある、低所得層が多く住むグレジール(Gresilles)に集中している。

 警察はAFPの取材に対し、15日夜には、数十人のフードをかぶった男が武器やバールを手にグレジールに集まり、空に向かって発砲し、監視カメラを破壊、ごみ箱や自動車に火を付けたと話した。機動隊は1時間半で暴動を鎮圧、4人を拘束した。

 ディディエ・ギヨーム(Didier Guillaume)農相はテレビ局CNewsの取材に対し、「戦闘的な100人の若者が武器を振り回し攻撃した。許されることではない」と話した。

 エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領に批判的な極右政党「国民連合(RN)」の党首マリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)氏は、16日夜にもディジョンで記者会見を開くと述べた。

 同氏は「われわれの国は大混乱に陥っている! ギャングが自動小銃を手に民族紛争を行っているのに、(内相の)クリストフ・カスタネール(Christophe Castaner)は何をしているのか?」と語った。(c)AFP/Loic VENNIN