【6月19日 AFP】中央アフリカ南西部にあるザンガサンガ(Dzanga-Sangha)保護区は、豪雨時には区外とつながっている唯一の小道が通行できなくなるほどの辺地にある。だが、この地域のピグミーにとっては、ザンガサンガの孤立状態が恩恵となるかもしれない。

 中央アフリカで新型コロナウイルス感染が拡大し、19日時点で感染者が2600人以上、死者が19人に上る中、ピグミーの少数民族バヤカ(Bayaka)の人々が保護区内に身を潜めることを奨励する運動が始まっている。

 世界自然保護基金(WWF)のザンガサンガ担当のルイス・アランス(Luis Arranz)氏は、「彼らに対し、自分たちの狩猟野営地に行って3か月間暮らすよう求めている」と語った。「毎週、キャッサバと医薬品を置いていく予定だ。彼らは隔離され続ける必要がある。それが唯一の解決法だ」

 近隣の各町では首長や牧師、警察などが、ピグミーを都市の中心部から離して新型ウイルス感染を回避させるというこの計画を支援するよう求められている。

 近くの町バヤンガ(Bayanga)を拠点とする非政府組織(NGO)「House for Pygmy Children and Women(ピグミーの子どもと女性に家を)」の代表で、地元の弁護士であるイボン・マルシアル・アモレット(Yvon Martial Amolet)氏は、「ピグミーは森の中に入っても、引き続き商品を売りに来られる。ただし直接の接触を避けるため、コミュニティーが中継する。要は、ピグミーが市場には来ないようにするということだ」と説明する。